プロジェクトデータベースの移動(GUIクライアントを使用)
PVCSのプロジェクトデータベースは、作成されたときの絶対パスに結び付けられています。プロジェクトデータベースを移動させる場合、単純にファイルのコピーや移動では正しく移動できません。
プロジェクトデータベースを移動させる場合、次の方法が使用できます。
このページでは、GUIクライアントを使用してプロジェクトデータベースを別の環境に移動させる方法を記述します。
重要:パックアップの取得
プロジェクトデータベースの移動は、複雑で危険な操作です。お客様の資産を守るため、プロジェクトデータベース全体のバックアップを必ず取得してください。
移動時に破損したプロジェクトデータベースを元に戻すことはできません。バックアップは非常に重要な操作です。
GUIを使用した手順について
GUIを使用してプロジェクトデータベースを移動するには、次の3種類の方法があり、それぞれにメリット/デメリットがあります。状況にあわせて使い分けてください。
- ファイルコピーによる方法
ファイルを単純にコピーする方法です。移動元と同じパスを移動先に用意できる場合にのみ使用できます。PC本体の変更時や、ハードディスクの故障による交換などの場合にのみ使用できます。
- インポートによる方法
既存のプロジェクトデータベースに、移動元のアーカイブをインポートする方法です。空のプロジェクトデータベースを作成し、そこにアーカイブをインポートすることもできます。既存のプロジェクトデータベースに移動元のアーカイブを結合することもできますが、プロジェクト名やフォルダなどが重複している場合は使用できません。
- コピーによる方法
既存のプロジェクトデータベースを、新しく作成したプロジェクトデータベースにコピーする方法です。
また、GUIを使用した手順に共通する注意事項としては次の項目があります。
- この作業ではPVCSのサーバー、クライアント両方の環境で大きなシステムリソースが必要になります。また、作業には非常に長い時間がかかる可能性があります。実行前には、一度、OSを再起動するなど、システムのリソース開放操作を行ってください。
- 小規模なリポジトリを使用し、操作の確認を行ってください。
- 操作を途中で中断した場合などは、GUIクライアントの再起動を行ってください。また、コピーが途中で終了した場合、移動先フォルダの内容は完全に削除し、クリーンな状態に戻してから再度実行してください。
- アーカイブを共有している場合、共有情報が失われます。
ファイルコピーによる方法
移動元環境と同じパスを、移動先環境に用意できる場合に使用できます。たとえば、PCの入れ替えやハードディスクの交換など、既存環境と全く同じ環境に新しくデータベースを作成する際に使用できます。
- ファイルのコピー
移動元環境にあるプロジェクトデータベースパス、リビジョンパス全体の内容を全て移動先環境の同じパスにコピーします。このとき、ディレクトリ階層などを含め、完全にファイルが同じになるようにしてください。
- ファイルサーバーを使用中の場合
Version Manager File Server Administrationから、パスマップを選択、コピーしたプロジェクトデータベース、リビジョンを指定して新しいクライアント名のリビジョンパスを作成します。
その後、それぞれのユーザーの PVCS クライアントで、
File > Open Project Database
から、新しく作成した移動先環境用のリビジョンパスを指定します。
- ファイルサーバーを使用しない場合
ファイルサーバーを使用していない場合、それぞれのユーザーのPVCSクライアントで、
File > Open Project Database
を選択、コピーしたプロジェクトのプロジェクトデータベースを指定します。
GUIからのインポートによる方法
- GUIクライアントから、プロジェクトデータベースを新規作成します。
作成先は、データベースの移動先を指定します。
#ref(): File not found: "2.png" at page "SE02002"
- [管理]メニューから、[アーカイブのインポート]を選択します。
アーカイブの場所には、移動元のプロジェクトを指定します。この画面例では、製品に添付されたサンプルデータベースを指定しています。
インポートのダイアログでは、アーカイブの場所に「プロジェクトのアーカイブの場所にコピー」を選択、「サブディレクトリのアーカイブも・・・」のチェックをオンにします。。
この方法は簡単ですが、次の点に注意してください。
- 移行されるのはアーカイブの内容だけです。プロジェクトデータベースの設定やワークスペースの設定は、以降先のプロジェクトのものが使用されます。
- アクセスコントロール、コンフィグレーションファイルはコピーされません。再設定が必要です。
- アーカイブを共有している場合、共有情報が失われます。
GUIからのコピーによる方法
- GUIクライアントから、コピー元のプロジェクトデータベースを開き、編集>コピーを選択します。
- プロジェクトデータベースの場所を入力します。
コピー先のプロジェクトデータベースの場所を入力します。
- コピーの属性を指定します。プロジェクトの場所にアーカイブをコピーを選択、サブプロジェクトを含むのチェックをオンにします。
アーカイブを移動させる場合、コンフィグレーションファイルやアクセスコントロールデータベースもコピーするようにしています。設定は、希望する処理にあわせて変更してください。
この方法は簡単ですが、次の点に注意してください。
- アクセスコントロール、コンフィグレーションファイルは新しい環境に複製することができますが、データベースは新規作成され、アーカイブの内容がインポートされます。そのため、データベースに行っていた設定や、ワークスペースの情報は失われます。
- アーカイブを共有している場合、共有情報が失われます。
異なるPCへの移行
GUIによるデータの移行では、同じPC内の別フォルダへの移行に限定されます。
たとえば、PC-AのC:\hoge から、PC-BのE:\hogeにプロジェクトデータベースを移行させることはできません。PVCSのGUIクライアントが、他のPCにデータをエクスポートしたり、他のPCからデータをインポートできないためです。
他のPCにデータを移行するには、このページで紹介した方法を組み合わせます。
- PC-Aに、USBドライブを接続したり、仮想ハードディスクを作成するなどの方法で、PC-Bの移行先と同じドライブ/フォルダを作成します。
- GUIからのコピーによる方法、もしくはエクスポートする方法を使用し、PC-A上で、PC-Bの移行先と同じドライブ/フォルダにプロジェクトデータベースを複製します。
- 「ファイルコピーによる方法」を使用して、PC-AからPC-Bにプロジェクトデータベースを移動させます。
この方法は、PC-A上に、移行先のPCと同じドライブ/フォルダが用意できる場合にのみ使用できます。
この条件が満たせない場合などは、コマンドラインツールを使用したコピーを使用してください。