Server Express 技術情報(FAQ)


サーバリプレイスに伴うCOBOL資産の移行手順を教えてください

サーバリプレイスに必要な基本的な作業は以下の通りです。

【移行元での作業】
1) ライセンスを削除します。
2) 製品を削除します。

【移行先での作業】
1) 製品をインストールします。
2) ライセンスを認証します。

ライセンスの削除と認証の具体的な手順に関しては、以下をご参照ください。

開発環境製品「Server Express」の場合:
https://support.microfocus.co.jp/SupportInf/amc_faqpublic.aspx?SX01004

実行環境製品「Server for COBOL」の場合:
https://support.microfocus.co.jp/SupportInf/amc_faqpublic.aspx?SX01009

製品の削除に関しては、以下をご参照ください。ライセンスの削除後はインストールディレクトリの削除が必要になります。現在使用しているサーバを再インストール・廃棄等を行う場合は必要ありません。

・Server Express をアンインストールする際の注意点を教えてください
https://support.microfocus.co.jp/SupportInf/amc_faqpublic.aspx?SX02002

また、開発環境製品「Server Express」、実行環境製品「Server for COBOL」を使用していた環境で以下の設定ファイルを使用されている場合は、それらのファイルの移行と移行先での環境変数への設定が必要になります。これらのファイルの有無をご確認頂くとともに、必要に応じて移行先の環境へコピーしてご使用ください。

1) コンパイラ指令ファイル($COBDIR/cobol.dir)
コンパイラ指令のデフォルトを記述しておくファイルです。日本語ロケールが有効な状態でServer Expressをインストールすると、インストールディレクトリ直下にcobol.dirというファイルが作成されます。デフォルトでは以下のようにCURRENCY-SIGN指令とNCHAR指令が記述されていますが、これを任意の内容に書き換えてご使用頂くこともできますので、内容が異なる場合は移行先環境へコピーしてください。これは、開発環境製品「Server Express」のみで必要です。

$cat $COBDIR/cobol.dir
CURRENCY-SIGN"92"
NCHAR"2"


また、上記のようにコンパイラ指令を列挙したファイルを任意のディレクトリに配置しておき、コンパイル時にUSE指令にてそのファイルを指定することも可能です。コンパイル時にUSE指令が指定されている場合は、そこで指定されているファイルは移行先へコピーして頂く必要があります。

・9.2.6.2.1 cobol.dir 指令ファイル
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/cycobc.htm#s017
マニュアルトップからは、[マニュアル一覧] > [ユーザガイド] > [第 9 章 COBOL システムインターフェイス(Cob)] > [9.2.6 コンパイラへのインターフェイス] > [9.2.6.2 コンパイラ指令の指定] > [9.2.6.2.1 cobol.dir 指令ファイル] へ進んでください。

・Server Express 5.1 - マニュアルトップ
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/sx51indx.htm


2) $COBDIR/etc/coboptファイル
コンパイラ指令ファイルと同様に各コンパイラ指令が指定できるファイルです。移行前の環境でCOBOPT環境変数が設定されている場合、そこに指定されているファイルを確認する必要があります。COBOPT環境変数を指定していない場合は、$COBDIR/etc/coboptが参照されます。移行前の環境のファイル内で以下のような記載がある場合、移行後の環境の同ファイルに以下を追加する必要があります。これは、開発環境製品「Server Express」のみで必要です。

-C <コンパイラ指令>


・9.2.2.1.1 $COBDIR/etc/cobopt ファイル
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/cycobc.htm#uopf
マニュアルトップからは、[第 9 章 COBOL システムインターフェイス(Cob)] > [9.2 Cob の使用] > [9.2.2 cob オプションの指定] > [9.2.2.1 オプションの構成] > [9.2.2.1.1 $COBDIR/etc/cobopt ファイル] へ進んでください。

・9.2.2.1.2 COBOPT 環境変数
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/cycobc.htm#s008
マニュアルトップからは、[第 9 章 COBOL システムインターフェイス(Cob)] > [9.2 Cob の使用] > [9.2.2 cob オプションの指定] > [9.2.2.1 オプションの構成] > [.2.2.1.2 COBOPT 環境変数] へ進んでください。


3) ファイルハンドラ構成ファイル
ファイルハンドラを使用するあらゆるCOBOLアプリケーションや製品ユーティリティで使用される設定ファイルです。移行前の環境でEXTFH環境変数が設定されている場合、そこに指定されているファイルを移行先へコピーして頂く必要があります。EXTFH環境変数を指定していない場合は、$COBDIR/etc/extfh.cfgが参照されます。このファイルがある場合は、このファイルをコピーし、移行先の同ディレクトリに保存する必要があります。

・第 6 章 ファイルハンドラの構成
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/fhcnfg.htm
マニュアルトップからは、[マニュアル一覧] > [ファイル処理] > [6. ファイルハンドラの構成] へ進んでください。


4) 実行時チューナー構成ファイル
実行時の動作に影響を与えるチューナーを構成する設定ファイルです。移行前の環境でプログラム実行時にCOBCONFIG環境変数が設定されている場合、そこに指定されているのが実行時チューナー構成ファイルですので、こちらも移行先にコピーして頂く必要があります。

・付録 A 環境変数
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/cyaenv.htm
マニュアルトップからは、[マニュアル一覧] > [ユーザガイド] > [付録 A 環境変数] へ進んでください。
※「COBCONFIG」で検索し、そのリンクをご参照ください。

・実行時チューナー
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/rhrtcf02.htm
マニュアルトップからは、[マニュアル一覧] > [実行時構成] > [実行時チューナー] へ進んでください。


5) 統合化トレース構成ファイル
通常時に使用される機能ではありませんが、念のためご案内いたします。統合化トレース機能は、COBOLプログラムの動作に関する診断情報を取得するための機能です。プログラム実行時にMFTRACE_CONFIG環境変数が設定されている場合、そこに指定されているのが統合化トレースの構成ファイルですので、もしデバッグ時の運用フロー等でMFTRACE_CONFIG環境変数を設定した状態での実行が確立されているようでしたら、対象の構成ファイルを移行先にコピーしていただく必要があります。

・統合化トレース機能
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/rhuctf01.htm
マニュアルトップからは、[マニュアル一覧] > [統合化トレース機能] > [統合化トレース機能] に進んでください。

・トレースの有効化
https://www.microfocus.co.jp/manuals/SE51/rhuctf02.htm
マニュアルトップからは、[マニュアル一覧] > [統合化トレース機能] > [トレースの有効化] に進んでください。

上記が弊社製品上で必要な作業です。COBOL資源(ユーザアプリケーション)も別途移行する必要がありますので、ソースコード・モジュール・ユーザアプリケーションに必要な設定ファイルは別途移行先の環境へコピーする必要があります。