COBOL/エンタープライズ製品 技術情報(FAQ)


サーバ再構築に伴う COBOL 資源の移行作業

サーバの再構築に伴い、移行が必要な COBOL 資源は以下の通りです。


コンパイラ指令ファイル

コンパイラ指令のデフォルトを記述しておくファイルです。日本語ロケールが有効な状態で製品をインストールしますと、<インストールディレクトリ>/etc 配下に cobol.dir というファイルが作成されます。デフォルトでは以下のように CURRENCY-SIGN 指令と NCHAR 指令が記述されていますが、これを任意の内容に書き換えてご使用頂くこともできますので、内容が異なる場合は移行先環境へコピーする必要があります。

$ cat $COBDIR/etc/cobol.dir
CURRENCY-SIGN"92"
NCHAR"2"

また、上記のようにコンパイラ指令を列挙したファイルを任意のディレクトリに配置しておき、コンパイル時に USE 指令にてそのファイルを指定することも可能です。コンパイル時に USE 指令が指定されている場合は、そこで指定されているファイルを移行先環境へコピーする必要があります。


ファイルハンドラ構成ファイル

ファイルハンドラ構成ファイル (exfth.cfg) が製品の<インストールディレクトリ>/etc 配下に配置されていれば、ファイルハンドラを使用するあらゆる COBOL アプリケーションや製品ユーティリティでその設定内容が反映されます。また、COBOL アプリケーションが保存されているディレクトリに保存されている場合は、その COBOL アプリケーションで設定内容が反映されます。さらに、任意のディレクトリにファイルを配置し、EXTFH 環境変数にフルパス指定でそのファイルを指定しておくことでも機能しますので、移行前の環境で EXTFH 環境変数が設定されている場合、そこに指定されているファイル移行先環境へコピーする必要があります。


実行時チューナー構成ファイル

移行前の環境でプログラム実行時に COBCONFIG 環境変数が設定されている場合、そこに指定されているのが実行時チューナー構成ファイルです。このファイルも移行先にコピーする必要があります。


統合化トレース構成ファイル

このファイルは、通常時に使用される機能ではありません。統合化トレース機能は、COBOLプログラムの動作に関する診断情報を取得するための機能です。プログラム実行時に MFTRACE_CONFIG 環境変数が設定されている場合、そこに指定されているのが統合化トレースの構成ファイルですので、もしデバッグ時の運用フロー等でMFTRACE_CONFIG環境変数を設定した状態での実行が確立されている場合、そこに指定されているファイル移行先環境へコピーする必要があります。